2009年5月30日土曜日

風光る 26

渡辺多恵子『風光る 26』(小学館)を読了。

渡辺多恵子もデビュー30周年だそうだ。もうそんなになるのか。この人の出世作『ファミリー!』がテレビ東京系でアニメ化されたのは私が大学生の時だったと思う。大して人気を得ることはできなかったようであるが、実際はどうだったのだろうか。ちなみに田原俊彦も芸能生活30周年だそうだ。まぁ、こちらはどーでもいいが。

この『風光る』も、これで26巻目。連載開始からすでに12年が経つという。年も取るわけである。もっとも、新選組には先が見えているし、『グイン・サーガ』のように物語が未完で終わってしまうということもないだろうが。

本巻のエピソードは2本。一つ目は深雪太夫とその妹お孝を巡るエピソード。二つ目は、谷三十郎の最期を巡るエピソード。ともに史実に曖昧な部分があり、新選組についての物語を創作する者にとっては、想像たくましく、いろいろ物語を膨らませていくことができるテーマではある。もっとも本巻では両エピソードとも、すこし不発に終わっているような気がしないでもない。

まず前者。恋物語の世界を拡げていくことは、本来少女漫画の得意とするところであるが、今回は「妹が姉の男を寝取る」話でもあり、ストーリーの構成にかなり作者の苦労が窺えた。まぁ、能天気な三角関係のストーリーとしてしまったら、この漫画の世界観が台無しになってしまうのは明かではあるのだが。

谷三十郎の死については、明らかなことはわかっていない。新選組が会津藩に提出した報告書にも「七番隊組頭谷三十郎儀、祗園石段下に於て頓死相遂げ候」とあるのみである。今回は仇討ちで殺されてあげるというストーリーになっているが、そもそも、谷三十郎の死について、作者が大した関心を寄せてないのではないかと思えるフシもあり、どことなく創作に力が入っていない。

まぁ、嵐の前の静けさといった巻かもしれない。

ちなみに『風光る』創作のきっかけになった芝居『風を継ぐ者』が今年の夏に再演されるそうだ。演劇集団キャラメルボックスによるこの芝居、私も観た。それなりに面白いので、芝居の好きな人は足を向けてみては。

演劇集団キャラメルボックス
http://www.caramelbox.com/