2009年7月11日土曜日

外交なき戦争の終末

NHK取材班『外交なき戦争の終末 - 太平洋戦争 日本の敗因 6』(角川文庫)を読了。

太平洋戦争の終戦工作について論じた本は数多あるが、本書は、対ソ外交にテーマを絞って戦前から終戦までの日本外交の詳細を追いかけている点でユニークだ。ソ連が崩壊し、様々な外交文書が明るみに出てきた時期が、本放送の取材時期にあたっており、それまでの俗説・推測とは一線を画す内容になっている。また、この頃は、当時の日ソ外交の当事者達がまだ健在であり、資料を裏付ける証言を得ることができているのもアドバンテージであろう。

それにしても、この一連の経緯を考えるとき、現代の日本人、日本の組織の欠点に思いを馳せれば、いささか憂鬱になろうかというものである。独善的で客観性に欠ける現状認識。面子に拘って現実的な対応ができないこと。責任を回避し、外圧がないと何事も動かないこと……。当時の政府や軍部の組織的体質は、そのまま的確に、私たちの所属する組織・会社の体質を物語っているようで、なんとも気の滅入ることではある。