2009年4月30日木曜日

池田あきこのねこ話

池田あきこ『池田あきこのねこ話』(中公文庫)を読了。

猫に対する私の感情は複雑だ。猫に出会うと、かわいらしいと思う一方で、関わり合いになりたくないという気持ちとイタズラを仕掛けてみたいという気持ちが、私の心の中で渦を巻く。結果、私は身構えるし、猫も身構える。そしてお互いに牽制し合いながら、すれ違うことになるのだ。(ちなみに私は猫の毛が多少苦手だ。)

本や写真や映像など、メディアの中にいる猫に対しては、そんな心配は無用だ。私はゆったりとした気持ちで彼女達と付き合うことができる。

私は絵本より、池田あきこのイラストエッセイが好きだ。対象へのアプローチの仕方とその観察眼にある種の親和性をおぼえるからだ。本書は信濃毎日新聞に連載されていたエッセイの2年分の文庫化。一見平凡だが、細やかで暖かいエピソードの数々が淡いイラストとともに描かれている。ホッと息抜きになる一冊。

2009年4月29日水曜日

利休にたずねよ

山本兼一『利休にたずねよ』(PHP研究所)を読了。

あぁ、この小説も面白かった。つい夢中になって読んでしまった。日本史の謎のひとつ利休の切腹。これと若かりし頃の利休の恋をリンクさせる着想が面白い。利休の茶道には何故に凄みがあるのか。侘び寂びの世界に垣間見える艶はどこからくるのか。命がけの芸術と命がけの恋とが重なるフィクションが見事だ。

描かれている千利休の人物像もユニークだが、脇をかためているキャラクターの人物造形も奥行きが深い。特に秀吉の複雑怪奇で多層的なパーソナリティは、利休の複雑な人物像と相乗効果で、物語世界に独特の立体感を与えている。

それにしても山本兼一の文章は美しい。書かれている日本語は簡潔だが十分に饒舌だ。古びてもいないし、過剰に修辞的でもない。歴史小説なのに表現はシンプルでモダン。こういう日本語を書いてみたいものだと思う。

マザーボード交換

修理に出していた HP 2133 Mini-Note PC が戻ってきた。サポートセンターにTELして4/17に受け付けてもらって、今日4/29には山形まで戻ってきたから早い方なのか。修理レポートを見たら「マザーボード交換」となっていた。一体何が壊れたのやら。保証期間中だったので、出費は一切無し。ハードディスクの中身もそのままだったのでありがたい。まぁ、遊びで使っている PC だから、大したデータは入っていないのだが。

それにしてもサポートセンターのTELのつながらないことよ。まぁ、一回繋がってしまえば、対応は比較的親切だった。某B社のサポートなんて何の役にも立たなかったぞ。個人的な経験では Panasonic のサポートはけっこう親切でマル。家電品のちょっとした部品についても親切に対応してくれた。最近は Apple Store も親切か。かつての Apple からは想像もできない。

Windows XP Mode

そうですか。結局 Windows 7 になっても Windows XP は捨てられないんだろうなぁ。

http://journal.mycom.co.jp/news/2009/04/29/015/index.html

2009年4月28日火曜日

最終号

あれま。最終号なんですか。けっこう好きな雑誌だったんだけどな ASCII Network Magazine

「歴史を変えたこの1台」の最終回は Extreme Networks の Summit 48i。そうきたか。こういうヨイショ記事も嫌いじゃないですけどね。私的には4月号で Fortinet の FortiGate が取り上げられたのが印象に残っているかな。

次は『月刊ASCII.technologies』となって新装刊だそうで。

http://ascii.jp/elem/000/000/412/412900/

とりあえず新号は買うと思うけど、ロゴが難しい雑誌は辛いと思うけどなぁ。

2009年4月26日日曜日

無趣味のすすめ

村上龍『無趣味のすすめ』(幻冬舎)を読了。

この週末、風邪気味だったので、これ幸いと布団の住人となっていた。もっともずっと眠り続けているわけにもいかず、無聊の慰めにと読んでみた。世評は芳しくないようだが、そこは商売上手の幻冬舎。それなりに売れてはいるようだ。私の感想?可もなく不可もなくといったところ。面白くはなかったが、それは否定的な意味ではない。ただ、この本で展開されている議論の数々は、既に他で読んだことがあるし、わざわざ村上龍でもあるまいという程度の意味だ。本書の議論を新鮮に感じる読者も一定数はいると思う。

本書の内容は月刊ゲーテに連載されていたものだという。私は本書の奥付を見るまで、その雑誌を知らなかった。とりあえずその website を覗いてみた。なるほど、こういう雑誌のマーケットが世間に存在するならば、こういう本にも一定のニーズはあるのかもしれない。なんとなく理解。もっとも私には日経の姉妹サイトも含めてまったく興味を持つことはできなかった。

「ゲーテのような人生を!」という願いでこの新雑誌のタイトルをつけた。
「仕事が楽しければ人生も愉しい」 — 新雑誌ゲーテのメインテーマだ。
「ビジネスホリック」 — この新雑誌のために編集部がつくった造語だ。

世の中には私の理解を超えた世界がたくさんあるのだ。まぁ、この人達の仲閒に入れなかったところで、私にはどうってこともないのだが。

2009年4月25日土曜日

ダヤンの路地裏ねこ歩き

池田あきこ『ダヤンの路地裏ねこ歩き』(中央公論新社)を読了。

「私は東京が好き!」という言葉からはじまる池田あきこのスケッチエッセイ。東京の路地裏案内。「その場描き」にこだわったスケッチの数々はライブ感があって上々。『蓼科日記』でも感心した色鉛筆による彩色も美しい。

池田あきこは1950年生まれだから、私よりもはるかに年上なのだが、幼い頃の風景を共有していることを本書で初めて知った。小学校入学の頃に住んでいたのは北区の清水谷長屋。この世で一番華やかなところは十条銀座だと思っていたという。そのくだりを読んだとき、自分の幼い頃の風景が鮮やかに蘇ってきた。夕暮れの中で、京浜東北線や国鉄の列車が行き交う、山手台地東端のパノラマのような風景。

足かけ3年の路地裏散歩。書き下ろしとのことで、雑誌の連載企画とは若干趣が異なるのも吉。築地、深川、人形町、浅草、谷中・千駄木、本郷、柴又、神楽坂、四谷、新宿、井の頭公園、江ノ電。中央線沿線を除けば、その好みは私と重なる。(中央線沿線は単に馴染みが無かっただけなのだが。)この大型連休、久々に街歩きを楽しんでみようか。

全篇楽しいイラストエッセイなのだが、一篇異質なものが混じっている。新宿ミロードのモザイク坂にあったわちふぃーるどの店舗が追い出された一件。アッケラカンと、だがチクリと書かれていて、思わず苦笑してしまう。

長い間ずっと売上上位を崩さず続けてこられたのはありがたく、誇りだった。それなのに……ああ、それなのに。「わちさんが残ると新しくなった感じがしないから」とあっさり。

ああいうところのテナントってのも大変なんですねぇ。そういや、昔、山形の中心街にもわちふぃーるどの店舗があった。けっこう一等地だったが、いつの間にやら撤退してしまっていた。こちらにはどんな経緯があったのやら。

2009年4月23日木曜日

火天の城

山本兼一『火天の城』(文春文庫)を読了。

この小説は面白かった。歴史小説というよりもまるでファンタジー。安土城築城を巡る物語。主人公は大工の棟梁、岡部一族。織田信長の人物像は、直接描かれるのではなく、築城という土木事業を通して、それに関わる人々、物事、事件を通して描かれていく。これは秀逸。私達は、単なる英雄譚たる歴史小説には飽き飽きしているのだ。

物語を紡いでいくにあたって、作者が綿密な調査と取材をおこなったのは一目瞭然だ。それは単に天守のデザインにとどまらない。城の建築術、石垣の工法、木材の調達・運搬・加工、瓦の製造、左官工事...etc。もちろん当時の人々の風俗、武士、大工、町民、農民、キリシタンなども緻密に描かれている。このように綿密な取材と計算に基づいて、フィクションが組み立てられているにもかかわらず、記されている文章はまったく煩くなく、文体はシンプルで大変読みやすい。これはこの小説の一番の美点であろう。適度に絵画的で適度にスペクタクルなのだが、古くさい表現は皆無で、舞台は安土桃山時代なのに、その描写は清潔でモダンだ。

別の作品も読んでみたくなってきた。

2009年4月20日月曜日

Oracle Buys Sun

ひぇぇぇ、そうなったんですかぁ。両社のHPでもトップに掲載されていますねぇ。

http://www.oracle.com/
http://www.sun.com/


http://journal.mycom.co.jp/news/2009/04/20/061/index.html


http://journal.mycom.co.jp/news/2009/04/20/069/index.html

旅する脳

養老孟司『養老孟司の旅する脳』(小学館)を読了。

JAL の機内誌《SKYWARD》に連載されていたエッセイの単行本化。エッセイとはいえ、最近流行のいわゆる語り下ろし。単行本化にあたっては加筆・修正され、題名も変更されていたりするようだ。もっとも以前から氏の著作を読んでいる者にとっては、そのような変更が施されていても、論旨そのものが修正されているわけではないことは容易に想像つくのだが。

帯にある「ワンショット・エッセイ」というフレーズが世に定着しているのか私は知らないが、一篇2−3ページのエッセイは気軽に読めるもの。暇つぶしには調度良い。私は風呂に入りながら読んでしまった。コストパフォーマンス悪し。若い人にも読んでほしいと思うのは『"自分に合った仕事"など幻想である』という一篇か。この不景気・就職難だからこそ、ステレオタイプな「自己実現」なんていう業界のプロパガンダに踊らされることなく、身の丈に合った職業観・就職観を持ってほしいと思う。

2009年4月18日土曜日

古事記(マンガ日本の古典)

石ノ森章太郎『古事記』(中公文庫)を読了。

「マンガ日本の古典」シリーズの第1巻。担当は石ノ森章太郎。『古事記』は上・中・下の3巻で構成されているが、そのうちの上巻のみをマンガ化したもの。神武天皇以降の記述は神話とは言い難いので、神代のみに対象を絞ったのは妥当であろう。

登場人物というより登場神物というべきか、原典には数多くのキャラクターが登場する。しかも、その血縁関係(?)は現代よりもはるかに複雑なので、『古事記』が人々に親しまれ続けるには、このような企画は有用であろうと思う。実際、石ノ森章太郎の手によるこのマンガは、再構成された物語の見通しが良く、それ自体が大変優れた作品になっていると思う。特に、オホクニヌシの支配権の確立→国譲りの物語→天孫降臨という一連の物語が、シンプルだが魅力的なエンターテイメントに仕立て上げられているところは見事だと思う。

キャンパス散策

いいお天気だったので、ちょっとキャンパス内を散策。構内の桜はピークを過ぎたあたりか。






2009年4月17日金曜日

黒衣の女王

栗本薫『黒衣の女王 - グイン・サーガ 126』(ハヤカワ文庫JA)を読了。

舞台は久々にパロの宮廷へ。「話が進まなくて退屈」という書評も見かけたりするが、チャンバラやってれば話が展開しているというものでもないのだ、ファンタジーというものは。国王として成長したイシュトヴァーンと若くして未亡人になってしまったリンダとの、少しだけ大人になった恋の物語。でも表面的なことばかりに気を取られていてはいけない。物語の時代が、いままさに外伝の第1巻『七人の魔道師』の時代であることが、さりげなくさらりと述べられていたりするのだ。

二人の男女の物語は、私のようなオールドファンには、なんとも懐かしいテイストであった。二度と戻らぬ冒険の時を振り返りながら、青春とは呼べぬ己の境遇と、浮いては沈みを繰り返す己の心を持て余すリンダ。
女ごころとは、ことにうら若い女ごころとは、まことに複雑なものである!

などと述べられているが、読者は全篇を通してこの「女ごころ」に付き合わされるので、まぁ「勘弁してほしい」という読者がいても仕方がないかとは思う。細やかで多様で気まぐれな女性の心の移ろいが淀みなく描かれていて、こういうのは女性作家ならではといえるのかもしれない。

ブログ記事転載機能をテスト

マイコミジャーナルのブログ記事転載機能をテストしてみる。Microsoft Office に関する記事2本です。

http://journal.mycom.co.jp/news/2009/04/15/056/index.html

http://journal.mycom.co.jp/news/2009/04/15/093/index.html

これは追加。

http://journal.mycom.co.jp/news/2009/04/15/019/index.html

2009年4月15日水曜日

PALVOマウス

研究室の学生さん用に注文したパソコンは一向に納品される気配が無いのだが、一足先にマウスだけが届いた。ELECOMPALVOマウスなのだが、使ってみるとこれが結構具合がいいのだ。画面上でポインタが飛んだり突っかかったりすることが全く無い。動きがとってもスムース。これだと変に力むことがなくなり、私のような中年の腕や肩にはとても優しい。「MRエンジン」とかいうのか。これなら追加注文してもいいかな。

iMovie 8.0.2

iMovie '09 のアップデータがリリース。

サイズが 0 KB のプロジェクトを開こうとすると、iMovie が起動時に突然終了してしまう不具合を修正。また、一部のシステムからフルスクリーンモードにアクセスできない不具合にも対応。

http://www.apple.com/jp/ilife/imovie/

2009年4月12日日曜日

さいたさいた

連日の好天で市内の桜も一気に開花した。山形市の開花宣言は11日の朝のことだったが、場所によっては既に満開に近い咲っぷりとなっている。

霞城公園前の桜並木はすでに満開に近い。

山形城趾の堀端の桜はまだ五分咲きといったところか。

公園内の梅林も満開。桜と梅が同時に楽しめるのは東北地方ならでは。紅梅に白梅にソメイヨシノにしだれ桜にと、今日はなかなか豪勢なり。うちの娘はしゃがみ込んで何をやっているのやら。

封印作品の謎

安藤健二『封印作品の謎』(大和書房)を読了。

以前読んだ『封印作品の闇』が面白かったので、本書も手にしてみた次第。本書で取り上げられている封印作品は、《ウルトラセブン》第12話『遊星より愛をこめて』、《怪奇大作成》第24話『狂鬼人間』、映画《ノストラダムスの大予言》、《ブラック・ジャック》第41話『植物人間』第58話『快楽の座』など。これらは差別問題などで抗議を受け、その後、さまざまな自主規制が行われた末、この世から抹殺されてしまっている作品群だ。

それぞれ社会問題を背景にしている上、版権ビジネスの事情も絡んでいて、関係者の口は一様に重い。私が読んでいて面白かったのは、《ウルトラセブン》と《怪奇大作成》の封印が、円谷プロ独特の版権ビジネスモデルに大きく由来しているというところだ。私はマニアではないので、自主規制されている作品をわざわざ見たいとは思わないのだが、本書のレポートにはかなり得心がいった。《ノストラダムスの大予言》については真相は闇の中。裏社会との関連が示唆されるにとどまっている。もっとも著者のレポート内容が真実だとするならば、そういう書き方にならざるを得ないとは思うが。《ブラック・ジャック》の封印については、手塚治虫本人の生前の意向が尊重されているということらしいので、版権に関わる人々の顔ぶれが入れ替われば、再び世に出てくる可能性があるのだろう。

2009年4月10日金曜日

三河物語

安彦良和『三河物語』(中公文庫)を読了。

本書は《マンガ日本の古典》シリーズの23巻目。単行本が刊行されたのは今から10年以上前のことだったと思う。比較的お気に入りのマンガだったのだが、単行本が見当たらなくなったので、文庫本を入手して再読した次第。

「センター対策にも効果絶大 受験生必携!」と帯に大書されているが、この『三河物語』に関する限り、原本とマンガとの対応関係はほとんど希薄で、もちろん受験勉強の役には立たない。『三河物語』の原作者はいわずと知れた大久保彦左衛門忠教。その徳川の旗本である彼が、その晩年に、大久保家から見た徳川家の戦の歴史と豊臣滅亡後の世について書いたのが『三河物語』。皮肉と嫌味たっぷりで門外不出とされていたらしいが、写本が広く出回り、江戸時代にはいわゆるベストセラーであったようだ。身内から見た徳川家の内幕の暴露と、古き世を懐かしみ、新しき世の堕落を嘆き、現行体制を批判しているところが広くウケていたのかもしれない。私は原本を読んだことはないが、この現代に読んだ人の感想は大抵「つまらない」というもののようだ。

この安彦本、一心太助を彦左衛門の足軽という設定で登場させ、幕府開府当時から豊臣家滅亡後までを時代劇調に描いている。漫画としては、なかなか粋な佳作だと思う。ストーリーの前半のピークは、大久保忠隣の改易と本多家(正信・正純親子)との権力闘争。武功のあった譜代の家臣たちが、時代の変化に取り残され、次第に家運が傾いていく様が良く描けていると思う。そして物語最大のピークが、大坂夏の陣における真田幸村の突貫。屈強でならした家康の旗本勢が蹴散らされ、家康が馬印を下ろさざるを得なかった歴史上名高い事件である。(家康本陣の馬印が蹴散らされたのは、それまで三方原の戦のみだったという。真田勢の凄まじさに家康も自害を覚悟したとか。)このとき本陣の槍奉行を勤めていたのが忠教である。戦後二条城で主君の家康から咎めを受けそうになるが、それを正面から受けとめ、主君の不徳として一歩も引かなかったところがドラマとして上手く描けていると思う。

私は《ガンダム》があまり好きではないのだが、この漫画は安彦良和の実力が遺憾なく発揮されていて、私のお気に入りの作品となっている。

2009年4月9日木曜日

子ども英会話

夕食をとっているときインターホンが鳴ったので応対すると「お子さんに英会話スクールはどうですか?」と男性の声。どうも、駅前通沿いにあるご近所の「子ども英会話スクール」の勧誘らしい。「興味無いです」と答えると「お子さんが英語がしゃべれたらいいと思わないんですか?」とか「お子さんの能力を伸ばしてあげたいと思わないんですか?」と詰問調に。

こんなヤツが関係している英語塾なんて、ロクなもんじゃないので、金輪際お断りである。そもそもようやく絵本を自力で読み始めた程度の幼児に、オママゴトみたいな習い事なんて金をドブに捨てるようなもんだろう。だいいち、うちの子どもは、Good Job! だの Excellent! だの、Mr. Eric! だの Up, up, up,... down, down, down! だの Hot! だの Cold! だのTVの真似して、朝っぱらから英語でわめいていてうるさくて仕方ないのだ。これ以上、英語騒音が増えてたまるかっての。

NHK教育えいごであそぼ
http://www.nhk.or.jp/kids/program/eigo.html

2009年4月8日水曜日

日本の戦争力

小川和久・坂本衛『日本の戦争力』(新潮文庫)を読了。

昨今のミサイル騒動で何よりも残念なのは、マスコミをはじめとして国内では情緒的な議論ばかりが先行してしまって、安全保障に関する限り、いまだに Facts and Figures に基づいた議論ができていないことだ。ことに、ある保守系メディアにいたっては、いたずらに脅威を煽ったあげく、完全に相手のプロパガンダにのってしまっていたといえる。これが利敵行為でなくてなんであろうか。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とはいうが、国家安全保障の理想はといえば、むしろ「百戦百勝は、善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり。」という孫子の教えにあろう。本書は日本の自衛隊の実情を含め、次の6つの項目において、日本の安全保障を論じたものだ。

- 自衛隊の「戦争力」
- アメリカへの「戦争力」
- テロへの「戦争力」
- イラク復興支援に見る日本の「戦争力」
- 北朝鮮への「戦争力」
- 日本国憲法の「戦争力」

全篇を通して、坂本衛が訊き小川和久が答えるというQ&A形式がとられ、活字が苦手な若者にも理解しやすい構成になっている。出てくる専門用語の解説も簡潔かつ適切で、就職活動に向けた社会常識の吸収にも役に立つようなものになっていると思う。

内容について全面的に同意はできないものの、日頃マスコミを通して知らされる議論とは、多くにおいて視点を異にしており、物事を複眼的にとらえる一助となってくれる本であると思う。とくに日本国憲法についての議論、アジアにおける周辺諸国との関係と歴史問題などについての議論は、私にとっては新鮮であった。私より若い人は、柔軟な考え方ができるだろうし、無用な先入観にも毒されていないと思うので、このような本を読むのは有意義なことであろうと思う。

2009年4月7日火曜日

デジカメバッテリ

コンパクトデジカメを使っていて困るのは、バッテリの仕様が様々で、それらに互換性が無いので、ちょっと古くなってしまうと予備バッテリの入手が困難になってしまうことだ。私がメモ代わりに使っているデジカメも、純正バッテリはとっくに製造中止。最近ようやくサードパーティー製品を見つけたので、とりあえずゲット。バッテリケースも付属していない安物。携帯するときは、何に入れようか。

http://www.kenko-tokina.co.jp/


で、自宅のキャビネットをゴソゴソやっていると、以下のような物が。これは何でしょう?


正解は三脚。ネジの部分にカメラを取り付ける。下の黒いキャップは、ペットボトルのてっぺんに装着。ペットボトルがあっという間に即席三脚に早変わり。

iTunes 8.1.1

iTunes 8.1.1 では、HD ムービーをレンタルするためのサポート機能が追加された。VoiceOver に関する問題、 iPhone や iPod touch との同期の問題など、多くの不具合が修正されている。

http://www.apple.com/jp/itunes/

2009年4月6日月曜日

空気清浄機

高気圧ベルトにすっぽり覆われた日本列島。今週は桜前線も全速力で北上しているようだ。そしてやって来ましたよ憂鬱な季節が。杉だの檜だの、花粉も大挙襲来中なんである。大陸から黄砂も飛来しているのか、今朝、我が家の車は真っ黄っ黄。で、こういう日は、活動を極力控えて、空気清浄機のある研究室に籠もって、大人しくしているに限るのだ。

この空気清浄機、購入して既に6年が経過しているが、今でも強力な集塵力を発揮してくれている。(HEPAフィルタは1回交換してるけど。)私は、シャープの「プラズマクラスタ」にもパナソニックの「ナノイー」にも懐疑的ではいるのだが、少なくとも花粉に関しては、明らかに部屋が快適になるので、とりあえず結果オーライということにしている。薬を飲まずにいられるなら、それに越したことはないのだ。


毎年、大量の薬の世話になる人もいるようだが、私は極力飲まない。嫌いだから。基本的には外出を極力控え部屋に籠もる。どうしても外に出るときはマスクをする。それでもクシャミが止まらず、鼻水が制御不能になったときだけ、市販薬を飲むことにしている。基本は我慢。「サソリに刺されたらどうするのか」という問いに「熱い砂を患部にかけながらコーランを唱える」という『アラビア遊牧民』のエピソードを思い出したが、そんな心境だろうか。経験則だが、花粉飛散数が 2000個/m^3 を超えない限りは、薬を飲まなくても、何とかなっているようだ。

山形市の花粉飛散数@我が家のご近所(↓)

2009年4月5日日曜日

上山城

土曜日は娘が通っている保育園の入園式。とはいえ毎日通っている場所だし、先生も園児も変わり映えしないメンバーだから、娘的には緊張感ゼロ。来賓の長い挨拶もアウトでしょう。独りでポツンとしていることもなく、少人数の同性だけでかたまっていることもなく、常に大勢の中で揉まれているようなので、親としてはまぁいいかなと。


その日はかみのやま温泉で一泊。久しぶりに親子で温泉を堪能。翌日は宿の近所の上山城を散策。この天守閣、私が山形に着任した当時はまだ無かった。城のデザインは史料的にはかなり根拠レス。公式には「再建」という言葉は使っていないようだ。あくまでも博物館の建物という位置付けらしい。(こういうのを「模擬天守」と呼ぶらしい。)

入口を入るといきなり喫茶コーナーの電光看板があり、その脇には「エレベーター完備」と別の看板が。まるでビジネスホテルチェーンのロビー。博物館の展示内容も取って付けたようなものが多く、感心しなかった。まぁ、博物館側の苦労がしのばれるところではあるが。「お城を建てたい」とか「観光名所にしたい」とかより先のことは何も考えていなかったんだろうなぁ。写真のように天気は良かったので、最上階からの眺望はそれなりに楽しめたのだが、娘には評判が良くなかったようだ。

2009年4月3日金曜日

あともう一息

キャンパス内を移動中、教養棟脇の桜のつぼみを撮ってみた。開花まであともう一息というところでしょうか。

2009年4月2日木曜日

研究室のBGM 今月の一枚



アントン・ブルックナー
交響曲 第4番 変ホ長調 《ロマンティック》 (1874年 第1稿)
ケント・ナガノ 指揮
バイエルン国立歌劇場管弦楽団
(IX/2007)
( → HMV.co.jp, → Amazon.co.jp

ブルックナーの交響曲を初めて聴いたのは中学生の頃だった。友人宅に遊びに訪れたときに、彼が父親のレコードだといって、この第4交響曲を聴かせてくれたのだった。演奏はカラヤン指揮ベルリン・フィルのものだったと思うから、楽譜は通常演奏される、1878/80年稿にもとづくハース版かノヴァーク版第2稿だったろうと思う。もちろん当時はブルックナーの交響曲の版の違いなんかは知ろうはずもなく、ただ、霧の彼方で鳴っているようなオーケストラの響きに戸惑い、途方もない音楽の捕らえ所の無さに呆然としたものだった。高校に入学すると、オーケストラ部に所属している一級上の先輩が大のブルックナー好きで、私にもたくさんの講釈をしてくれたものだったが、私が最初に抱いた印象が覆されることは無かった。

あれから多くの月日が流れた。年齢相応に多くの音楽を聴いていたが、ブルックナーの音楽についての印象は、いまもさして変わりは無い。積極的にコンサートチケットを求めたり、CDを求めたりすることはないが、音楽というよりもオーケストラの響きを無性に求めるようなとき、私はブルックナーの音楽を聴く。「聴く」というより「音を浴びる」とか「響きに浸る」といった表現の方が正確であると思う。メロディを追いかけて作曲家の想いに想像をめぐらすわけでもなく、自分の心情を音楽に投射するわけでもなく、ただ波のように寄せては返すハーモニーとリズムにすべてを委ね、ブルックナー独特の時の流れに身を任せる。

私はこのCDで初めて1874年第1稿の演奏を聴いた。なるほど、確かにハース版やノヴァーク版第2稿のような様式感、構成感には欠けるし、響きやハーモニーは荒削りのところも散見される。しかし一方で、楽句の接続性はより滑らかで、音楽の流動性は増しているようにも思える。ブルックナーの音楽を建築物に喩える人も多いが、こうしてオリジナルの音楽に接してみると、そのような喩えは当を得ていないのではないかと思えてくる。また彼が誰よりもワーグナーの影響を受けていたことが顕わになっている点も面白い。(2+3) あるいは (3+2) のリズム進行は、俗に「ブルックナーリズム」と呼ばれているが、この第1稿ではオリジナルの5連符のリズムが頻出する。前述した楽句構造の滑らかさなども考え合わせると、今日私達が受容しているブルックナーの音楽と、本来彼が夢見ていたものとの間には、大きな乖離が存在するのではないかと思えてきた。

2009年4月1日水曜日

今日から4月

今日から4月っすねぇ。職場は異動があったり何なりで、私の周囲もどことなく浮き足だった雰囲気が漂っていました。

山形は朝はみぞれまじりの天気でしたが、街を歩けば梅もチラホラ。山形では、梅の開花から桜の開花まで、平年でおよそ2週間かかるそうです。ちなみに東京の場合は2か月。札幌にいたっては、梅と桜の開花はほぼ同時。年によっては、桜の開花が梅の開花を追い越してしまうときもあるとか。日本列島の広さと豊かさが実感できる話ではあります。(写真はフリー素材からのもの。残念ながら私が撮ったものではありません。)


今日は、エイプリルフール(4月バカ)だったわけですが、日本のどこかでは盛り上がっていたりしたのでしょうか。子供の頃からエイプリルフールで盛り上がったことなんて無いんですけど。

私が生まれた東京赤羽では、毎年4月に赤羽馬鹿祭りなるものが催されます。どうもエイプリルフールとは無関係なようで。と、ここまで書いて、赤羽一番街商店街のサイトの説明を読んでみたら
四月のエイプリルフールにちなんでその名も”バカまつり”となりました。

と思い切り書いてありますね。そうだったのか……。絶句。この馬鹿祭り、メインストリートは通行止めになるわ、やたら人出はあるわで、子供の頃から私にとっては迷惑以外の何ものでもなかったのですが。

そういや久米田康治の『かってに改蔵』というマンガで「5月バカ」というネタがあったのを今思い出しました。4月バカでウソをついてひとを陥れた者は、5月1日にその人から復讐されるというストーリー。そしてその復讐とは「本当のことを言われる」というものでした。「真実ほど恐ろしいものはない」という結構ブラックなネタでした。うーむ、くだらないことばかり憶えているな。