2011年12月12日月曜日

スティーブ・ジョブズ II

ウォルター・アイザックソン(井口耕二 訳)『スティーブ・ジョブズ II』(講談社)を読了。

実は先月の半ばには読み終わっていたのだが、あれやこれやでブログを更新する気になれなかった。晩秋から冬への入口は気もそぞろ…それでも読むべきものはしっかりと読んではいたのだが…。

第2巻は私達がよく知っているジョブズ復帰後のアップルのビジネスが描かれている。Think Different, iMac, Apple Store, iTunes & iPod, Pixar, iPhone, iPad, iCloud, ...こうして並べて書いてみれば、まさに勝利の進軍と呼ぶのが相応しいのかもしれない。でも、その道は平坦ではなかったし、すべてのことが意図通りにおさまってきたわけでもない。ジョブズが亡くなったいま、Appleのビジネスは不確実性に満ちているし、IT業界の未来は誰にも読み切れるものではないだろう。

ジョブズの人生もけっして平坦なものではなかった。成功の裏側に隠されたさまざまなエピソード…本書はこれらを比較的冷静に距離を置いて描いている。失敗というよりも過ちというべきもの…恋、友情、夫婦関係、親子関係…彼もちっぽけな一人の人間で、私たちと同じように、これらから自由になることはできなかった…常軌を逸した葛藤があったようではあるが…。

まぁ、もっともジョブズ個人に大した興味がないのなら、第2巻は第1巻ほど面白くはない。最近のAppleのビジネスについては、その舞台裏も含めて、既にさまざまなメディアで多くが語られているからだ。本書の内容に何かスクープが隠されているわけではない。

上下巻あわせて900ページあまりの長い伝記だが、エッセンスを読みたければ、第2巻のp424-p430を立ち読みするとよいだろう。そのジョブズ自身の言葉で全ては尽くされているように思えるし、じっさい感動的ではある。