五木寛之『親鸞(下)』(講談社文庫)を読了。
下巻では、法然に入門してから、越後に流刑になるまでの若き親鸞の日々が描かれている。上巻同様、平易な文章には力強さがみなぎっていて、どんどん物語の世界に引き込まれてしまう。
「生きて地獄、死んでも地獄」という言葉しかない庶民の暮らし、若き親鸞の苦悩、彼を巡る人々の愛や憎しみ…念仏門をめぐる朝廷、南都北嶺、一門の動き…フィクションの要素が大きくとも、ある種のリアリティが読み手に迫ってくる。特に、私には法然の人物造形が魅力的で好ましいものに思えた。
本当に感銘を受けてしまうと、それに相応しい言葉を見つけるのは難しい。人生、いま、この時にあって、私には必要な出会いだったのだろうと思っている。


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